Another Tempest

30代男性の管理人が、さまざまな物事について勝手気ままなことを語るブログです

ボブ・ディランについて

 

  こんにちは。

 

 去年にノーベル文学賞の受賞が決定したミュージシャンのボブ・ディランが、来る3月31日にニュー・アルバムをリリースするそうで、その新作『トリプリケート』についての長文インタビューがソニー・ミュージックの公式サイトに掲載されています(全文翻訳)。ファンの方は必読です。

 つい先日には、ツアー先のストックホルムスウェーデン・アカデミーからメダルと証書を授与されたと報道されていました。

 

 ボブ・ディラン 新作アルバム『トリプリケート』についてのインタビュー

 http://www.sonymusic.co.jp/artist/BobDylan/page/interview_1703

 

 御年75歳になるはずですが、ポール・マッカートニーにしろストーンズのミック&キースにしろ、未だに現役であり続けていることにもはや畏怖の念を感じますね。海外のロックスターたちは一体どういう肉体構造をしているんでしょうか。不思議でなりません。私は今30歳なのですが、45年後の自分を想像してみても、とてもじゃないけど彼らのようなバイタリティが残っているとは思えません……。

 そもそも芸術家という人種が、常人の域をはるかに超えた無尽蔵のエネルギーを内に秘めているとしても、さんざん歌って演奏して酷使してきたカラダなのだから、多少なりとも悲鳴をあげているはずだと予測するのは普通ですよね。もちろん健康管理や身体能力を維持するために専属トレーナーが付いていたりするのでしょうが。生まれつき強靭な肉体を授かっていることもあるのでしょうか。だとしたら羨ましいとしか言いようがありません。体を壊すことほど、苦痛なこともありませんからね。個人的にはどういう生活を送っているのか、健康の観点から教えてもらいたいです。でも、音楽は人を若々しくする力があるんだろうなとも思いますが。

 

 ボブ・ディランの新作については、インタビューを読むかぎり、どうも前作『フォールン・エンジェルズ』、前々作『シャドウズ・イン・ザ・ナイト』と連なるトラディショナル・スタンダード・ナンバーのカバー作品となるようです。しかも3枚組という特大ボリューム。ディラン曰く、テーマが同じなのでまとめてリリースしたかったらしいです。収録されているのは、主にフランク・シナトラがレパートリーとしていた定番中の定番といわれる楽曲。「アズ・タイム・ゴーズ・バイ」や「センチメンタル・ジャーニー」、「スターダスト」など。全30曲を、ディスク1枚につき10曲収めた形となる様子。私も暇を見つけて聴いてみようと思います。

 

 それで、ノーベル文学賞やら新作の発表やらが重なった折もあって、私は久しぶりにボブ・ディランの伝記映画『ノー・ディレクション・ホーム』を鑑賞しなおしてみました。これは収録4時間というとてつもなく長尺なムービーなのですが、夜な夜な一人お酒を嗜みながら、時間を分けて観ました。過去の映像を交えながら、彼のキャリアにおける人間関係についても知り得るので、ファンにとっては非常に興味深い映画です。そしてこれを観ながら、私は淡々とボブ・ディランとの邂逅などを振り返ったりしていました。

 

 私がディランの音楽と出会ったのは、およそ17年前の中学1年生のときです。隣県に住む叔父の家に家族で訪ねた際に、勝手に自室に忍びこんでCD棚を漁り、そこから『フリーホイーリン』のアルバムを抜き取って持ち帰ったのがきっかけです(完全に泥棒ですが、のちに叔父は笑って許しそのアルバムを私にくれました)。
 幸いにも、そのアルバムにはライナーノーツや邦訳された歌詞が細かく記載されていたので、当時は洋楽に馴染みのなかった私もめずらしいものを発見した喜びで、好奇心の赴くまま未知の領域を開拓するごとく、食い入るようにそれらを読み込みました。
 初めて聴いたディランの歌は、とにかく凍えるような印象。まるで冬の日の道端や地下道で日銭を稼ごうと路上ライブをする彼の姿がみえるような……ただただ孤独で、なおかつ真実に限りなく近い何かが宿っていると匂わされる響きが感じ取れました。あらゆる装飾を削ぎ落としたような素朴さで、かつ気高く、音は温かいのに張りつめたような空気を持っている。綴られた歌詞の意味を理解するのは難しかったけど、彼の鳴らす音楽の意味を(その片鱗を担う一端でも)直感的に悟ったような気がしていました。このミュージシャンは人生そのものを、それも嘘偽りのない眼で見つめた率直な感想を語っているのだろうと。それはどこにも属せない、孤高の存在であることを示しているようでもありました。
 そして私はじきに自らもアコースティック・ギターを始めることになり、自作曲をつくったり歌詞を書くようになりました。同級生の友人らとバンドを組んで、地元の公民館で小規模のライブをしたりもしましたね。もちろん、ある日には単独で路上に出て木枯らしを得意げに浴びながら、お粗末な演奏を披露したりもしました(長い歳月を経てオリジナル曲を録音したテープが発掘されたときは、まさに赤面ものです)。
 それから私は肌寒い季節になると思い出したようにディランの歌を聴くようになりましたが、成人してからしばらく遠ざかって(なぜか一時期、彼の声が受け付けなくなった経験もしました)、25歳を過ぎたあたりからまたちょくちょく耳を傾けるようになりました。そして何時ぞやに、ぐうぜん深夜に放送していた『ノー・ディレクション・ホーム』の映画を観ました。そこで初めて、しっかりと実際に演奏して語る彼の姿を映像で目のあたりにして、もの凄くこみ上げてくるものがありました。彼はいつも真剣で、それは音楽に対する以前に人生に対しての姿勢であり、生まれ持った天性の資質とタフネスであり、まぎれもない孤高の人・ミュージシャンでした。想像以上の人物にうつり、私は素直に感動しましたね。

 

 ボブ・ディランは、現在37枚ものオリジナル・スタジオアルバムを発表しているわけですが、あらためてその中でいちばんのお勧めを選んでみようかとも考えてみましたが、とてもじゃないけど出来ませんでした。37個もある選択肢の中から1つを選出するというのが、ちょっと無理な話です(ひとつひとつの内容が充実しすぎていますから)。
 またその時々によって好みが変わるので、これがマスターピースだというものを断定することが困難なんですよね。でも今の自分が人に勧めるなら、『追憶のハイウェイ61』か『ナッシュヴィルスカイライン』でしょうか。もちろん『フリーホイーリン』もいいです。『欲望』も好きですけど……とキリがないのでここら止めておきます。

 

 それでは、また。

 

映画『ガンジー』レヴュー

 

 

 

 

 ガンジーは1982年に全米公開された(日本は翌年公開)イギリスとインドによる合作映画です。第55回アカデミー賞作品賞を受賞しております。
 少々古めですが、なかなか充実した見ごたえのある映画で、なにしろ上映時間が3時間という……。私は大の映画好きですが、それでも2時間半を超えてくると大抵は集中力が途切れてくるので、一旦休憩を入れたりしなくてはならなくなります(もちろん自宅で鑑賞している場合に限りますが)。
 映画の内容は関係なくて、ほとんど生理現象なのでどうしようもない。
 


 さて肝心の内容ですが、その名を知らぬ人はいないであろう、インド独立の父と呼ばれる宗教家・政治指導者であるマハトマ・ガンディーの自伝的映画となっています。彼が弁護士だった青年時代から、偉大な指導者となって暗殺されるまでを描いたものです。

 

 いわゆる歴史映画なので、エンターテインメント的な側面はほぼ皆無ですが、波乱に満ちた人生を凝縮したストーリーになっているために、ちょっと見逃すと話の筋を見失ってしまうようなスピード感があります。場面場面の移り変わりは緩やかに感じられながらも、何気に展開は早いので、だれることなく観られるのではないでしょうか。
 その激動の時代を余すことなく詰め込んでいるせいか、もの凄い勢いでガンジーは歳をとり、なにやら悟りを開いていったかのような錯覚に陥りますが、おそらくだいぶん省略してこのペースなんでしょう。
 


 やはり扱っているテーマが重いので、一難去ってはまた一難といった具合に勃発する政治的な問題に伴い、知的な(ややこしい)会話がひっきりなしに交わされ、聞き逃したりしているといつの間にか議題がすり替わっていたりします。でも印象的なセリフが多く、言葉のやり取りを聞いていて単純に面白いし、教訓として学ぶところもあります。とにかく、いろいろと考えさせられる映画です。
 


 また、合間に映し出される風景がとても美しいです。とくにガンジーがインド全土を列車で旅している場面は印象的。つかの間の休息を表すように、セリフのない穏やかな映像が淡々と流れます。
 ガンジー役を演じた主演俳優のベン・キングズレーの風貌があまりに本人と酷似しているせいもあって、あたかもドキュメンタリーを観ているかのように勘違いしそうにもなりますが(実際、現地の住民たちの多くは「ガンジーが生き返った」と思い込んで、彼の元に参拝に訪れたりしたそうです)。
 当時のガンジーが、自分の知り得なかった国の実情を前に、いかにして心を痛め頭を悩ませていたか想像させられます。


 
 私が思うに、エンターテインメント作品としては観られないけれど、たとえばガンジーのことをよく知らない人が興味本位で観ても、けっこう楽しめる内容ではないかという気がします。なんとなく歴史を学んでおきたいという姿勢の人でも。
 かくいう私もマハトマ・ガンディーという人物に関してそこまで詳しくなかったのですが、これを観て深い感銘を受け、あらためて彼の著書を熱心に読み漁ってみるまでに至りました。『獄中からの手紙(岩波文庫)』ガンジー自伝(中公文庫)』などを。
 またそれ以来「非暴力」の本当の意味や意義についても、よく考えるようになりました。
 


 それから30年以上前の映画なのにもかかわらず、映像がちっとも古く感じません(少なくとも私にとっては)。この映画をいかに大事にして、伝えたいものがあるからこそ、なるべくクオリティの高い映像で撮ろうという、監督を含む撮影人の意気込みをまさに反映しているようです。
 余談ですが、この映画はエキストラを30万人も動員しており、それは最多記録としてギネス・ワールド・レコーズに認定されたそうです。凄いですね。
 福岡県久留米市岩手県盛岡市の人口がだいたいそれくらいみたいです。ちょっとイメージ湧きにくいですが。


 
 やみくもに理性を見失いつつある、きわめて暴力的な混乱の最中にある現代でこそ、観て響くものがある映画ではないかとも思います。
 時代を超えて、なぜ人や国がこうも躍起になって争い合わねばならないのか、またその時に自分はどういう態度を示すべきなのか。そうやって自分を見つめ直すきっかけにもなります。
 ぜひとも、一人で時間をかけてじっくりとご鑑賞ください。私はときどきこの映画やガンジーの著書を思い出しては、かつてはこんな人もいたんだ、と振り返るようにしています。自分にとっての正しさを省みるための勇気が得られるように。

 

 

 

 

 

英作家ジェーン・オースティンにまつわるニュース

 

 先日、ネットニュースをチェックしていたら、こんな記事が目に入ってきました。
 


 英作家ジェーン・オースティン、結婚を2度偽装か
 

www.jiji.com

 


 これはイギリスの近代文学を代表する女性作家のひとり、ジェーン・オースティンが没後200年ということで、そのイベントの一環として、イングランド南岸にあるハンプシャー州の公文書館が、作家自筆の「偽の婚姻届」2通を公開するという内容のものなんですが。まあ、婚姻届の偽装といっても、オースティンがまだ十代の少女だった頃のことらしいですけど。いたずら好きだった一面を知ることができると。お茶目ですね。
 


 作家にまつわるこういうニュースをときどき目にする度、なんだかほっこりした気分になります。
 たまに過去の醜態をさらすようなものもあって、わざわざそんな事実を掘り下げなくても……なんてモヤモヤした気持ちになることもありますが。(中島らも大麻取締法違反で逮捕されたときも、同じような印象を持ちました)
 去年だかに、高校時代の村上春樹による図書カードの貸し出し記録が発見されたと話題になりましたね。ちょっとした問題というか。


 
 でもジェーン・オースティンに関するニュースは初めて見たので、思わず、おおっ、と唸ってしまいました。私はもちろん彼女のファンです。『高慢と偏見』や『エマ』、『マンスフィールド・パーク』など素敵な小説が沢山ありますよね。


 
 これまで似たようなニュースでいちばん面白かったのは、なんだったかな……と振り返ってみたんですが、結局うまく思い出せませんでした。残念。サリンジャーとかガルシア・マルケスの訃報が届いた時のショックは思い出せるんですが。ギュンター・グラスとか。なぜ人は悪い時のことばかりを憶えているんでしょうか。不憫な生き物です。
 


 全然関係ないですが、作家に関する小話の中でこういうものがあります。ノーベル文学賞を受賞したアメリカの作家、ウィリアム・フォークナーに関するものです。
 彼はノーベル文学賞の授賞式の時に娘のジルを連れて出席し、素晴らしい演説を行なって拍手喝采を浴びた、と人びとには鮮やかに記憶されているんですが、でも実際の事実は少し違っていて、本当は授賞式に行きたくなくて泥酔していた彼を、娘が無理やりに引っ張っていったらしいです。
 偉大な作家であるのに、なんだか子どもっぽいところもあって、人間味が感じられていいなと思いますよね。また、それにもかかわらず、嫌々ながらも行なったはずの演説が素晴らしい内容になっているんですから、大したものです(なんだかんだいって、ちゃんと用意していたんでしょうけどね)。
 


 それでは、また。
 
 
 

ちょっと怖すぎる 邦画ホラーの名作・ベスト5


 
 ちょっと怖すぎる 邦画ホラーの名作 ベスト5

 


 
 1、リング・シリーズ ☆☆☆☆☆

 

 井戸から髪の長い女が這い上がってくる衝撃的な映像で、一世を風靡した傑作ホラー映画。公開当時は前代未聞の恐ろしさに、夜中ひとりでトイレに行けなくなった人が続出したはず(実は管理人もその一人……)。でも怖いだけじゃなく、非常によく出来た作品です。当時のホラー業界からすれば、まさに画期的な手法だったのではないでしょうか。設定が緻密でストーリー自体がとてもしっかりしているので、恐怖に怯えつつも観入ってしまう不思議があります。リング1&2はもちろんのこと、続編映画の『らせん』や、貞子の過去をたどる前日譚『リング0バースデイ』などもオススメです。アメリカでは『ザ・リング』と題してリメイク作品が映画化されています。まだ観たことがない方はまとめて堪能してみるのも手です。


 
 2、呪怨 ☆☆☆★★

 

 公開当時は、なんだか『リング』の模範作品みたいな雰囲気だな……と勝手にうがった目で見ておりましたが、これが意外にも世間でヒットしましたね(大変失礼な発言で申し訳ありません)。たしかにインパクトもあり、場面の随所でジャパニーズ・ホラー特有の恐怖感を煽ってくるようなセンスがあります。初めてあの全身蒼白の子ども(俊雄)を見たときは度肝を抜かれました。あと伽倻子の声がかなり気色悪いです。管理人的には面白いというより、とにかく恐ろしく気持ちの悪い映画に出来上がっていると感じます(良くも悪くも)。それにしてもリングの貞子にしろ、ホラー映画に出てくる女性の怨霊はだいたいむごたらしい死を迎えていますね……だんだんと可哀想になってくる始末です(そりゃ呪いも生まれるさと納得)。『リング』同様、ハリウッド版リメイク作品が存在します。海賊版みたいな続編もその後に頻出しました。管理人はオリジナルの第1&2作目をオススメします。
 


 3、仄暗い水の底から ☆☆☆☆★
 

 『リング』の原作者による同名小説を映画化した作品。一見『リング』の焼き回しのような印象を持ちますが、これはこれでなかなか見どころのある映画となっています。離婚調停中の疲れた主婦を演じる黒木瞳の繊細な演技が良い味を出しています。スガシカオによる主題歌も印象的。そして、これもまた『ダーク・ウォーター』と冠してハリウッドでリメイクされておりますので、気に入った方はそちらも鑑賞してみるのもいいかと思います。夏の納涼にはぴったりの作品。


 
 4、学校の怪談・シリーズ ☆☆☆☆☆
 

 これはもはやホラー映画と呼んでいいものかどうか迷いますが、どちらにしろ名作なので、大好きな作品としてオススメさせていただきます。学校を舞台にした少年少女たちの物語で、基本的にはファンタジー的な要素を含んだジュブナイル映画だと認識してもらえればいいかと思います。つまり、お子さんと観るにも最適です。最初の作品は1995年公開とかなり古いですが、しかし今見返しても実によく出来たエンターテインメントに仕上がっております。退屈する隙もないような絶妙な話の運び方です。ホラーなので恐怖におののく場面は当然ありますが、それとおなじくらいに笑える場面が盛りだくさんで、最終的には涙を誘う展開も……。シリーズは全部で4作ありますが、どれもオススメです。管理人はもちろんDVDを全て揃えております。


 
 5、オーディション ☆☆☆★★
 

 90年代の作品で少し古いですが、邦画ホラー好きの界隈では意外と知られている映画らしいです。あらすじは以下の通り。7年前に妻を亡くして以来、ビデオ制作会社を経営しながら一人息子の重彦とともにどこか寂しい毎日を送る青山。ある日、息子に再婚を勧められたのを機に同業者の友人・吉川の協力のもと、開催された映画のオーディションの応募者の中からその相手を探すことにする。そこで出会った女性・麻美に惹かれ、やがて交際がスタートすると瞬く間にその魅力の虜になっていくが、次第に彼女の隠された正体が明らかになって……。なんだか『富江』という邦画ホラーを彷彿とさせますが。前半はゆったりと始まって退屈するかもしれませんが、中盤から徐々に恐怖を帯びてきて、クライマックスにかけては阿鼻叫喚の図です。
 管理人は主演俳優の石橋凌さんが個人的に好きなので(彼は『お金がない!』という織田裕二主演のドラマに社長役で出演していましたね)、最後までのんびりと観られましたが。言ってしまうと、かなりグロテスクな映画です。若い人にはあまり向かないかもしれません。監督は、今や売れっ子となった三池崇史監督。興味のある方は一度、鑑賞してみるのもいいかと思います。
 
 
 

誰もが楽しめる 洋画の名作 〜 シリーズもの・番外編 〜

 


 誰もが楽しめる 洋画の名作 ~ シリーズもの・番外編

 


 
 バットマン・シリーズ ☆☆☆☆★
 
  

  言わずと知れたアメリカン・コミックス原作の、ヒーローものとしてはどこか特殊な空気の漂うアクション映画。バットマン・シリーズは様々な監督の手によって映像化されていますが、とりあえず最新のクリストファー・ノーランによる三部作をお勧めしておきます。続編に進むにつれて、込み入った事情はさらに深まり、どんどん暗い雰囲気になっていきますが…。しかし、非常に見どころのある作品です。映像も美しい。『ダークナイト』『ダークナイト ライジング』と揃ってどうぞ。

 

 
 アイアンマン・シリーズ ☆☆☆☆★


  

   こちらもアメリカン・コミックの実写化による人気映画。おそらく誰でも素直に楽しめて、さっぱりとした気分で観終えることができるアクション映画といえるでしょう。設定もしっかりしていて、いろいろと要点を押さえています。またユーモアのセンスも抜群。
 休日に映画が観たいんだけど、観るものがなくて…という人にはぴったりかもしれません。


 
 X-MEN・シリーズ ☆☆☆★★
 

  ヒーローものの王道をいくかんじのSFアクション映画です。『スパイダーマン』や『バットマン』とともにまず原作が有名。奇想天外なことが次々に持ち上がってくるので、息つく間もなく楽しめます。同時にヒューマン・ドラマ的な側面も兼ね備えているので、入り込みやすいです。グラフィックも素晴らしい。リラックスして楽しみたいときにオススメ。


 

 エイリアン・シリーズ ☆☆☆☆★
 
  

  リドリー・スコット監督作の、40年近くの歴史を誇る往年の名作です。非常によく出来たSFホラー映画。最新作の『エイリアン:コヴェナント』が9月に公開を控えています。管理人はまだ小学生だった頃にこの映画に魅せられて、気持ち悪いフィギュアを必死に買い漁っていた時期がありました。
 古い映画ですが、若い人でもじゅうぶんに楽しめると思います。ホラーが苦手な人にはちょっと堪えるかもしれませんが…。

 

 

 インディ・ジョーンズ・シリーズ ☆☆☆☆★
 

  元祖・秘宝めぐりの冒険もの映画、という印象のスピルバーグ監督作品。まっとうなエンターテインメント作であり、大人子ども関係なく楽しめる要素が満載です。エイリアンとおなじく古い映画なので、根強いファンも多いのではないでしょうか。生粋の映画好きの方にオススメです。


 

 バイオハザード・シリーズ ☆☆☆★★
  

  現代のSFホラーアクション映画の代表格と呼べるシリーズ作品。三作目ぐらいまでは良かったのですが、個人的にその後はなんだか惰性になってしまったと感じます。しかし家族・友人・恋人・個人、どのようなシチュエーションでも楽しめる要素は兼ね備えています。スケールの大きな世界観は圧巻。映画を観てスカッとしたい方にオススメ。

 


 ナイトミュージアム・シリーズ ☆☆☆★★
 
  

  博物館を舞台にした、どこか冒険ものの雰囲気さえ匂わせるファンタジー・コメディ映画。それもそのはず、『ジュラシック・パーク』や『インディ・ジョーンズ』のエッセンスが随所にうまいこと散りばめられています。ただし物語は完全オリジナル。2000年代に数多く作られた似たような映画の中でも、この作品の出来は秀逸。観ても損はない映画です。


 

 ハムナプトラ・シリーズ ☆☆☆★★
 

  インディ・ジョーンズに通ずる、秘宝めぐりの冒険もの。ほとんどオマージュといっていいかもしれません。B級映画の一歩手前の雰囲気ですが、でもストーリーはしっかりしていて、コミカルな演技も笑えます。ひとりで過ごす気だるい夏の午後にぜひどうぞ。
 

 

 

 


 

HSPという概念について

 

 こんにちは。管理人です。
 少し前に読んだ本のなかで、こんなものがありました。
 
 イルセ・サン『鈍感な世界に生きる 敏感な人たち』

  

  これはHSPという特性を持った人間について書かれた本なんですが。
 
 HSPとは……


 Highly Sensitive Person の略称で、生得的な特性として、高度な感覚処理感受性をもつ人のこと。共通して見られる特徴として、大きな音・眩しい光・強い匂いのような刺激に対して敏感であることが挙げられる。HSPはしばしば、豊かで複雑な内的生活を送っているという自覚をもっている。物事に対して容易に驚き、短い時間にたくさんのことを成し遂げるよう要求されると混乱するという性質を持つ。(Wikipedia参照)

 

 ということらしいです。


 つまり、一般よりいくらか敏感な気質を持ち、感受性の強い繊細な人のことを示しているようです。
 90年代にアメリカのエレイン・N・アーロン博士(写真で見ると優しげな顔立ちの女性でした)が提唱した概念みたいですね。
 漠然と考えるなら、皆と同じように社会を生きていて、でも自分は周りと比べて何か余分に生きづらさを常に感じている……と思える人は、当てはまる方が多いんじゃないでしょうか。
 
 私がこの概念を知って興味を持ったのも、自分にそういう傾向があると思ったからです。その折に、偶然この本を見つけて手に取りました。
 日本に限らず世界中で、人間社会における価値観は未だにマッチョな固定観念に支配されていると感じます。人間はひたすらに強くなければならない(とくに男性は肉体的・精神的にもマッチョさを求められる)、いちいち物事に敏感で臆病なのは悪いことだ、皆が皆おなじ場所に立っておなじ姿勢をもって物事に取り組まねばならない、というような。
 たしかに、大半は女性より男性の方が腕力が勝るのだから率先して守らねばならない時があるだろうし、自分に甘えていつまでも殻に閉じこもっているような状態はよくないとか、そうした言い分の一部に理解を示せる気もするんですが。決して悪い面だけではないはずです。でも反面、みにくい集団性というか……無駄に一致団結を唱える盲目的な精神論は、至極厄介だなと感じます。
 端的にいって今の社会では、人よりも繊細で温厚そうな人間というのは見下されがちですよね。もちろん学校や職場など、なんらかのフィールドで能力を発揮できれば、それが認められて一目置かれるという評価が得られて、瑣末な問題は払拭されたりもするんですが。
 ただ普段の日常を過ごす中では、結局のところ、そうした偏った姿勢が社会のネックにもなっているんじゃないかという気がします。つまり、声の大きいものが勝つ、という風潮が未だに世の中にしつこく定着しているせいで、それが世間の空気をギスギスさせている要因となっているのではないかと。あくまで個人的な意見です。
 そんな中で、やはりある種の神経質さを持って生まれてきた人間というのは、気後れして、どこか劣等感を悟らざるをえないわけなんですよね。周りと同じように生きられない自分は駄目なやつなんだ……というふうに責め苛んだりして。
 だけど、それを一概に自分の弱さだと捉えるのは間違いなんですね。人にはやっぱりそれぞれ生まれ持った気質というのがあって、他人の感覚・それに伴う思考や価値観を完全に理解しようなんてことは土台無理な話です。もしそれを可能にしようと思ったら、相手と同じ条件に生まれついて人生を生きてみなくちゃならないわけですから。実際、自分と他人の目で見る景色というのは驚くほど違っているはずです。想像してみただけでも。人との会話やコミュニケーション、世の中に存在する表現としてのあらゆる創作物に触れても、そう感じられます。その事実をないがしろにして、簡単に人をわかったような気になることが多いから、余計な軋轢が増えるんじゃないか……とも思います。


 少し話が少し逸れましたが。


 人よりいくぶん繊細で、生きづらさを抱えながら日頃このめまぐるしい社会を生きている人が、この本を読んでHSPという概念を知ったら、少しは気分が楽になるかもしれません。
 それが単に自分の弱さでなくて、生まれ持った特性(個性)なんだと理解できたら、生き方がある程度変わったりすることもあるんじゃないでしょうか。私はこの本を読む前にHSPの概念を知ったのですが、多少なりとも生きる方向性のようなものが修正されました。もちろん良い方向に。


 ただ、これが怠惰の理由とかになってしまうと危険ですよね。自分に対する甘えというのは、やっぱり際限がないものですから。経験上、そう思います。HSPの概念が教えてくれたことは、自分をうまく労わること、になるのかもしれません。そんなに周りの価値観に合わせて無理しなくてもいいんだよ、もっと本当の自分を大切にするべきだよ、というメッセージ。
 まずインターネットでHSPについて自分で調べてみるのもいいですが、興味のある人は読んでみるといいかもしれませんね。
 
 では、また。
 
 

書籍のススメ 〜 小説入門におすすめの私的8選 編 〜

 

 

 書籍のススメ ~ 小説入門におすすめの私的8選 編 ~

 

 
 現代では読書文化の衰退が嘆かれていますが、新しい世界を求めて文学作品に手を伸ばす若者もきっとまだまだいるはず。世の中には実にさまざまな分野の名著が数多く存在しており、そこには自分の想像の範疇を超えた目からウロコな内容が綴られていることもしばしば。ぜひとも「これは自分のために書かれた本だ!」という運命の一冊に出会ってほしい。管理人もささやかながら、そう願っています。
 今回は、どちらかというと読書が苦手な人にオススメできる文学作品を選出してみました。管理人なりに、これは若者向けだと思えるものを中心に。人気作を考慮したりもしたので、一度くらい見聞きしたことのある作品が並んでいるかもしれません。どれも比較的とっつきやすく楽しみやすいものを意識したつもりです。文学に馴染みがなく、以下の小説に目を通したことがないという方は、ぜひ試しに手に取ってみてください。

 文学の楽しみを知って自分の世界を広げたら、あとは自ら書店に脚を運んで、知的好奇心を思う存分に発散させてください。

 


 1、村上春樹世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド
 

  もはや日本を代表する小説家として不動の地位を確立している村上春樹。海外でも文学界のビートルズとまで言われるほど人気があります。
 この小説の物語は、高い壁に囲まれ、外界との接触がない閉ざされた街で、そこに住む一角獣たちの頭骨から夢を読んで暮らす僕の物語 [世界の終り] と、老科学者により意識の核にある思考回路を組み込まれた私が、その回路に隠された秘密をめぐって活躍する物語 [ハードボイルド・ワンダーランド] が、交互に展開されていきます。複雑な内容と構成ですが、二つの物語が同時進行していくおかげで読んでいても飽きることがありません。またすぐれたユーモア感覚や若々しい感性も相まってフィットしやすいのではないでしょうか。
 ネームバリューのせいで敬遠されがちなところもありますが、現存する小説家の中では世界規模でトップクラスであることは間違いないと思います。文章は読みやすく物語は新鮮で、非常に魅力的な内容となっています。おそらく読書嫌いな人でも、素直に小説を楽しむ体験ができるでしょう。この作品は文庫本で上下セットと長めですが、やっぱり最初は短めのものがいいという方は『風の歌を聴け』を選ぶのもいいかと。白昼夢を見ているように、日常を離れた数センチ上を浮遊するような不思議な感覚をもたらします。ぜひその独特の小説世界を堪能してください。

 

 
 2、川上未映子『ヘヴン』
 

  現代日本文学のなかでは人気作家の一人でしょう。この方は『乳と卵』で芥川賞を受賞されています。管理人は他の作品にあまり馴染みがないのですが、この『ヘヴン』だけは一読して抜群に良いと感じました。物語の舞台は中学校で、登場人物たちも中学生です。しかし単なる学園ドラマとは一線を画します。内容はどこまでもシリアスで冷ややか。モチーフとして虐めを扱っており、それぞれ集団社会における人間的な葛藤を抱えながら、強者と弱者の相容れない理屈などが、非常に現実的な目線で論理的に展開されていくさまは、現代人の内に潜む問題の核心にじかに触れてきます。とても読み応えのある作品です。
 文章の瑞々しさを表す、その思考や感性にどこか颯爽としたところがあるので、若者にもハマりやすい気がします。個人的に、この作家にはいわゆる「意識の流れ」という文学的手法に通ずるものがあるとも感じます。物語もちょうどいい長さで、共感しやすい土壌も揃っているように思うので、ぜひオススメです。


 
 3、太宰治人間失格
 

  これはおそらく読書習慣のない人でもご存知の作家とタイトルなのではないでしょうか。率直にいえば、鬱屈とした心情を抱えているティーンエイジャーにとっては身につまされる内容の書物です。良くも悪くも、そこに描かれている物語に若者は強い共感性を見出して影響を受けるでしょう。
 あらすじとしては、大庭葉蔵という一人の男の苦悩に満ちた人生が、三つの手記による独白のような形をとって語られていきます(ただし、最初の”はしがき”と最後の”あとがき”は第三者の目線で書かれます)。少年時代から青年期にかけての時間の流れとともに、さまざまなエピソードを交えて進行していくので、非常に読みやすいかと思われます。なにより、そこに書かれていることが(おそらく)誰にとっても真実めいたものに映って、自分をあばかれていくような感覚が面白いとさえ感じられるでしょう。自分は周りの人間とどこか違う、世間に馴染めないはぐれものだ……という疎外感を抱いている若者には、特殊なバイブルとなる本かもしれません。どちらにしろ読んで損はない名作なので、ぜひ手にとってみてください。

 


 4、東野圭吾白夜行
 

  現代日本のミステリー作家の中ではかなり有名な方。管理人は普段あまり手を出さないタイプの小説なのですが、これは知人に教えられて読んでみて面白いと感じたので、また読書に馴染みのない人にも比較的読まれている印象があるジャンルでもありますし、選ばせてもらいました。ドラマや映画にもなってヒットした、200万部以上売れているベストセラー作品です。

 あらすじは、19年前に大阪で起きてそのまま迷宮入りになった質屋殺しの事件を軸に、被害者の息子・桐原亮司と容疑者の娘・西本雪穂による、その後の悲劇的な人生を、なぜか二人の周囲で頻発する不可解な凶悪事件を挟みながら、淡々と描かれていきます。その数奇な出会いと残酷な運命によって引き裂かれる人の心に、思わず身震いしてしまいます。
 一見ありがちな設定にみえますが、映像化されてヒットしたのが頷けるくらい、非常によく出来たドラマ仕立ての小説です。とかく悲しい内容ですが、人間の有り様がよく描かれていて面白いです。

 


 5、宮部みゆき模倣犯
 

  おなじく日本のミステリー&サスペンス作家では名の知れた方の作品。東野圭吾氏の作品とともに、これも個人的には馴染みがなかったけれども知人に教わって読みました。文庫で全5巻という初心者には向かない長めの小説ですが、人によっては読書の喜びを知る機会になりうる作品かと思われます。まずは1巻を読んでみて、続きを追うかどうか考えましょう。
 大まかなあらすじとしては、「天才」を自称する犯罪者の暴走を描いたサスペンスです。それぞれ段落別に、被害者・加害者の両視点からひとつの事件を描いた特異な内容となっています。東野圭吾の『白夜行』同様、人間模様がよく描かれていますし、込み入った設定や事情をていねいに読み解いていくのも一興かと思います(それがサスペンスの醍醐味かもしれませんが)。人によっては読破するのが疲れるかもしれませんが、とりあえずとっかかりに触れてみるだけでも十分です。ちなみにこれもドラマ・映画化されていますので、興味のある方はそちらもチェックしてみてはどうでしょうか。

 


 6、J・D・サリンジャーライ麦畑でつかまえて
 

  世界中の若者のバイブルとして現在も支持されつづけている青春小説の古典的名作。ジョン・レノンを射殺したマーク・チャップマンや、ロナルド・レーガンを射撃したジョン・ヒンクリーが愛読していたことで、曰く付きの小説になってしまいましたが……。作者のJ・D・サリンジャーは後年にかけて表舞台に出てこない隠居生活を徹底して続けており、謎めいたカリスマ的存在として世間に認知されていました(2010年1月27日、永眠)。
 あらすじとしては、ホールデン・コールフィールドという17歳の少年がクリスマス前のニューヨークの街を孤独にさまよう、という話です。随所でいろいろなエピソードが挿入されますが、ほとんどが主人公の精神論的な独白で埋めつくされている印象です。そういう意味では、太宰治の『人間失格』とも通ずるところがあるかもしれません(哲学的と評することも可能でしょうか)。
 非常にクセのある文体で好き嫌いが分かれそうですが、内容自体はとてもいいので、一度ハマればのめり込んでしまう小説です。持ち味は、若者特有の神経症的なイノセンスでしょうか。誰のどの小説とも似ていない唯一無二のオリジナリティを発揮しているという点でも、すぐれた文学作品であるといえます。

 個人的には、文学に馴染みのない方は村上春樹訳のほうをオススメします。そちらの方が読みやすいかと思うので。


 
 7、トルーマン・カポーティティファニーで朝食を
 
  

  天才作家として世に名を馳せた存在。才能を持つものというのは、こういう人のことを言うんだろうと思わず頷かされます。サリンジャーとともに未だにそのカリスマ性は衰えません。
 本作はオードリー・ヘップバーン主演で映画化されたことで有名ですが、原作の小説も素晴らしい内容となっております。主役はホリー・ゴライドリーという若き女性で、彼女がニューヨークの街を舞台に自由奔放に生きる様が、作家志望である主人公の目線で描かれています。この瑞々しく物哀しい世界観は病みつきです。
 サリンジャーもそうですが、物語云々よりかは独特の文体を体感することに意味があるように思われます。なので、早い話いちど手にとってみて実際に目を通すのがいいでしょう。やはり天才と称されるだけあって、美しい文章の至るところに才能の発露がみられます。持ち味は、幻想的な比喩と登場人物たちのストレンジな感性と緊張を和らげるユーモア。風景描写も緻密で、細部に凝っています。ちなみに新潮から出版されている文庫本は短編集で、全部で五つの話が収録されています。どれも素敵な話です。

 
 8、チャールズ・ブコウスキー『町でいちばんの美女』
 
  

  これは管理人の個人的な推薦ですが、行儀のいい体裁の文学ばかりじゃなくて、もっと世間から大胆に逸脱したものが読んでみたいという方にオススメの作品です。酒・女・金という禁忌三原則をこれでもかと破りとおしてしています。しかし、ただ下品なだけに終わらず、噓いつわりを嫌うような視点から、独特の物悲しさが描かれてもいます。ブコウスキーの作品はすべてが地続きというか、どれを読んでも結局、酒・女・金にまつわる私小説的物語が展開されていきますが、なぜか読んでいて飽きることがありません。平易な文体で書かれており、同時に人間心理の根本を突いてくるような鋭さがあるためでしょう。まるで放浪する路上生活者の目で世間を眺めているかのような、あるいは世界の果てから俯瞰で物事を見ているかのような感覚。なんてタフな世界なんでしょうか。そこには妙な爽やかさがあります。
 『ありきたりの狂気の物語』『詩人と女たち』とどれもオススメです。