Another Tempest

30男の管理人が、基本的には好きなことについて書きながら、さまざまな物事に勝手気ままなことを語るブログです

HSPという概念について

 

 こんにちは。管理人(編集長)です。
 少し前に読んだ本のなかで、こんなものがありました。
 
 イルセ・サン『鈍感な世界に生きる 敏感な人たち』

  

  これはHSPという特性を持った人間について書かれた本なんですが。
 
 HSPとは……


 Highly Sensitive Person の略称で、生得的な特性として、高度な感覚処理感受性をもつ人のこと。共通して見られる特徴として、大きな音・眩しい光・強い匂いのような刺激に対して敏感であることが挙げられる。HSPはしばしば、豊かで複雑な内的生活を送っているという自覚をもっている。物事に対して容易に驚き、短い時間にたくさんのことを成し遂げるよう要求されると混乱するという性質を持つ。(Wikipedia参照)

 

 ということらしいです。


 つまり、一般よりいくらか敏感な気質を持ち、感受性の強い繊細な人のことを示しているようです。
 90年代にアメリカのエレイン・N・アーロン博士(写真で見ると優しげな顔立ちの女性でした)が提唱した概念みたいですね。
 漠然と考えるなら、皆と同じように社会を生きていて、でも自分は周りと比べて何か余分に生きづらさを常に感じている……と思える人は、当てはまる方が多いんじゃないでしょうか。
 
 私がこの概念を知って興味を持ったのも、自分にそういう傾向があると思ったからです。その折に、偶然この本を見つけて手に取りました。
 日本に限らず世界中で、人間社会における価値観は未だにマッチョな固定観念に支配されていると感じます。人間はひたすらに強くなければならない(とくに男性は肉体的・精神的にもマッチョさを求められる)、いちいち物事に敏感で臆病なのは悪いことだ、皆が皆おなじ場所に立っておなじ姿勢をもって物事に取り組まねばならない、というような……。
 たしかに、大半は女性より男性の方が腕力が勝るのだから率先して守らねばならない時があるだろうし、自分に甘えていつまでも殻に閉じこもっているような状態はよくないとか、そうした言い分の一部に理解を示せる気もするんですが。決して悪い面だけではないはずです。でも反面、みにくい集団性というか……無駄に一致団結を唱える盲目的な精神論は、至極厄介だなと感じます。
 端的にいって今の社会では、人よりも繊細で温厚そうな人間というのは見下されがちですよね。もちろん学校や職場など、なんらかのフィールドで能力を発揮できれば、それが認められて一目置かれるという評価が得られて、瑣末な問題は払拭されたりもするんですが。
 ただ普段の日常を過ごす中では、結局のところ、そうした偏った姿勢が社会のネックにもなっているんじゃないかという気がします。つまり、声の大きいものが勝つ、という風潮が未だに世の中にしつこく定着しているせいで、それが世間の空気をギスギスさせている要因となっているのではないかと。少なくとも私個人は、そう考えたりします。
 そんな中で、やはりある種の神経質さを持って生まれてきた人間というのは、気後れして、どこか劣等感を悟らざるをえないわけなんですよね。周りと同じように生きられない自分は駄目なやつなんだ……というふうに責め苛んだりして。
 だけど、それを一概に自分の弱さだと捉えるのは間違いなんですね。人にはやっぱりそれぞれ生まれ持った気質というのがあって、他人の感覚・それに伴う思考や価値観を完全に理解しようなんてことは土台無理な話です。もしそれを可能にしようと思ったら、相手と同じ条件に生まれついて人生を生きてみなくちゃならないわけですから。実際、自分と他人の目で見る景色というのは驚くほど違っているはずです。想像してみただけでも。人との会話やコミュニケーション、世の中に存在する表現としてのあらゆる創作物に触れても、そう感じられます。その事実をないがしろにして、簡単に人をわかったような気になることが多いから、余計な軋轢が増えるんじゃないか……とも思います。


 少し話が少し逸れましたが。


 人よりいくぶん繊細で、生きづらさを抱えながら日頃このめまぐるしい社会を生きている人が、この本を読んでHSPという概念を知ったら、少しは気分が楽になるかもしれません。
 それが単に自分の弱さでなくて、生まれ持った特性(個性)なんだと理解できたら、生き方がある程度変わったりすることもあるんじゃないでしょうか。私はこの本を読む前にHSPの概念を知ったのですが、多少なりとも生きる方向性のようなものが修正されました。もちろん良い方向に。


 ただ、これが怠惰の理由とかになってしまうと危険ですよね。自分に対する甘えというのは、やっぱり際限がないものですから。経験上、そう思います。HSPの概念が教えてくれたことは、自分をうまく労わること、になるのかもしれません。そんなに周りの価値観に合わせて無理しなくてもいいんだよ、もっと本当の自分を大切にするべきだよ、というメッセージ。
 まずインターネットでHSPについて自分で調べてみるのもいいですが、興味のある人は読んでみるといいかもしれませんね。
 
 では、また。